青森

酸ヶ湯温泉~風情と歴史ある千人風呂で強酸性の源泉100%かけ流しを満喫する






温泉ソムリエとして、青森県の八甲田山にある酸ヶ湯温泉(すかゆ-おんせん)に、ようやく念願の宿泊を果たしましたので、そのときの情報を掲載したいと存じます。

酸ヶ湯温泉は青森市内から十和田湖に繋がる十和田八幡平国立公園の国道103号線沿いにある標高約900メートルの一軒宿です。
国民保養温泉地としては、四万温泉、日光湯元温泉と共に第1号に指定された歴史ある温泉地となります。



山岳路となっている国道沿いに突然現れますが、旅館と言うよりは「ドライブイン」と言う感じの雰囲気でして、建物前に駐車場もあるため、多くのクルマも休憩がてら立ち寄るようなところです。
そして、ソフトクリームなどの軽食販売と軽食レストラン・喫茶店、また売店も設置されています。
また、名湯とうたわれる「酸ヶ湯温泉」にも朝9時~17時の間は、日帰り入浴が可能となっています。

なお、本来は湯治の温泉宿ですので、宿泊棟もたくさんありますので、もちろん宿泊するお客様もいっぱいでして、小生が宿泊した9月の平日でも満室と言う、伝統ある大変人気の温泉旅館になっています。
トップの写真は、旅館にて掲示されていた「ポスター」より抜粋させて頂いたもので、浴室で当方は撮影していません。

酸ヶ湯温泉の特徴

pH2.0前後の白濁している酸性硫黄泉となるのが酸ヶ湯温泉です。
開湯は江戸時代初期の1684年(貞享元年)と伝わり、辺鄙な山奥ですが、湯治場として訪れる利用者が多かったと言います。
3廻り10日で万病に効果が現われると言われているように、酸ヶ湯温泉は、免疫力を高める温泉として知られて行ったのです。

酸ヶ湯温泉

なんでも、横内の狩人・長内佐ヱ門四郎」が、手負いの鹿が、元気に山に逃げたのを見て、温泉を発見したとあり、最初は「鹿の湯」と呼ばれたそうです。
その「しかゆ」が変化して「すかゆ」になったと言う事ですね。

泉質は酸性硫黄泉(含石膏、酸性硫化水素泉)(緊張低張性温泉)で、5つの自家源泉を有し、すべて100%源泉かけ流しです。
硫黄(硫化水素)のニオイもバッチシですが、ガスを逃がしているのか、そんなにキツクはありませんでした。

酸性の温泉ですと、お湯と角質層の間で脱水・加水分解・変性といった化学反応が起こります。
そのため、皮膚の古い角質を瘡蓋(かさぶた)と似た状態にして、古い肌を剥がして、新しい肌が誕生すると言う「刺激」を与えるので、自然治癒力を高める効果が期待できます。
強酸性湯はアトピーの方にも良いのですが、かきキズがあると、しみて痛いですので、ご注意を。
また、皮膚が弱いお子様などは、長湯すると、体中がかゆくなってしまったりしますので、短めの入浴が良いかもしれません。

酸ヶ湯温泉・熱の湯源泉のデータで、pH1.9、源泉温度53.2℃、湧出量は測定不能(自然湧出)、成分総計5.112g/kg、泉質は酸性・含二酸化炭素・鉄・硫黄-アルミニウム-硫酸・塩化物泉(硫化水素型)です。

秋田県の玉川温泉だとpH1.05程度、蔵王温泉でpH1.4程度、草津温泉・大露天風呂でpH1.6くらいですが、酸ヶ湯温泉の源泉はpH1.8~2.0程度となります。

酸ヶ湯温泉の日帰り入浴

酸ヶ湯温泉には、歴史ある「ひば千人風呂」と「玉の湯」と言う内湯があり、八甲田山などの登山帰りの登山客も疲れを癒してから帰ります。
露天風呂はありませんが、この2つの浴室は、朝9時~17時まで日帰り入浴が可能です。
どちらかひとつの場合には大人600円(小学生までは300円)、両方入浴できる共通入浴券は1000円(小学生まで500円)で、2つに何度でも入浴でき、貸しタオルが1枚と休憩室利用がつきます。
酸ヶ湯温泉の玄関を入って右側に券売機が2台ありますので、入浴券を購入して、お風呂場の入口にて券を箱に入れると言うシステムになっています。
別途、バスタオルは1500円、販売タオルは200円にて、フロント脇の売店にて購入することも可能です。
宿泊客も立ち寄り湯でも、ロビー右手にある、カギつきの無料靴箱にクツを入れてスリッパで館内移動します。

酸ヶ湯温泉

ヒバ千人風呂(原則混浴)

酸ケ湯温泉旅館のロビー右奥に見えるのが混浴のヒバ千人風呂です。
160畳の広さを誇る木造内湯の大浴場となっており、歴史を感じる雰囲気で、温泉を堪能できます。
昔から混浴だったのですが、脱衣所は男女別に分かれています。
脱衣所ロッカーはカギ式とカゴ式の併用で、脱衣所入口の左側にカギ無料の貴重品ロッカーもあります。
当然ながら写真撮影は禁止ですので、ポスターを撮影してみました。
※トップ写真は酸ヶ湯温泉サイトより拝借。

酸ヶ湯温泉

熱湯、冷の湯、四分六分の湯(しぶろくぶのゆ)、湯滝など4つの源泉が注がれていますが、混浴で女性も利用しやすいように、一番奥の四分六分の湯まで「間仕切り」で一応は隔離させています。
冷の湯は冷たくはないのですが、温度が低いので掛け湯と言う趣向で、四分六分の湯はぬるめの温度、熱湯は42℃設定といった感じでしょうか?
混浴なのですが、間仕切りがありまして、お湯に浸かっていない、歩いて移動する間は、お互いが見えないように工夫されています。
お湯に浸かってしまえば、透明度約15cmの白濁湯ですので、体は見えませんし、浴槽の中央(お湯の真ん中)にて男性はこっち、女性はこっちと分けて入浴するようにと標識がありました。
女性の方は、心配だったら、一度、バスタオルを巻いて偵察なさると良いかと思いましたが、それでも混浴時間に女性を見かけることはありませんでした。
なお、肩にリボンがついた、かわいい湯浴み着を売店で買ってから混浴の千人風呂に入っても、大丈夫なようです。

混浴マナーに関しては、男性がジロジロと女性見ると言うよりは、男性が浴槽のヘリに座って、ご本尊を開眼してしまうので、女性は目のやり場が無いというご意見も多いようです。

このように混浴は抵抗があると言う女性の宿泊客向けには、毎日午前8時~9時と、夜の20時~21時の1時間は、女性専用タイムとなっています。
ただし、日帰り入浴時間には女性タイムはありません。

なお、この千人風呂にはカラン(洗い場)はありませんので、体を洗ったり、シャンプーしたりはできません。
と言うより、pH2.0程度の強酸性湯ですので、温泉に浸かるだけで皮膚は「殺菌」されます。
口にお湯を含むと、とても酸っぱい(すっぱい)です。
酸性のお湯のため、歯が解けますので、マネしないでください。
口に入ってしまった場合には、真水でうがいしておきましょう。

玉の湯

玉の湯は、男女別の内湯で、カランに流し放題式のシャワー設備があり、ボディーソープとリンスインシャンプーが設置されております。
脱衣所のロッカーはカゴ式ですが脱衣所入口に、無料カギの貴重品ロッカーがありました。
あと、ドライヤーも完備されています。
浴槽に注がれているお湯も白濁ですが、千人風呂で使用されている源泉とはまた違います。
ちょっと狭いですが、男女別ですので、混浴が難しい女性も「玉の湯」でしたら、心配はないです。
男女別と言うよりは、男性浴室と女性浴室は廊下で100mくらい離れた、まったく別のところにありますので、入浴後に待ち合わせする場合には、売店やロビーなどが良いかと存じます。



もう一つの名物「マンジュウふかし」は、地中から噴き出している温泉の熱気により、暖まっている木箱に服を着たまま腰かけるもので、冷え症や痔に効くと言います。
酸ケ湯の宿から徒歩10分程のところにあります。

宿泊情報

酸ヶ湯温泉の旅館建物は、大きく分けて7棟に分かれます。
古い建物の割には、修繕などもしっかり行っているようで、全体的には悪くありません。

一番高級な順番から「イ棟2階」「イ棟1階」「7号館」「3号館」「湯治棟(1号館・2号館・5号館・6号館)」となり、少し迷路のようになっています。
湯治部は素泊まり(自炊)・1泊夕食のみ・1泊朝食のみ・2食付きと選べますが、その他は旅館宿泊部となり1泊2食のみとなります。
なお、旅館部のほうも含めて全室、バス・トイレ別となり、トイレと洗面所は共用です。
連泊する場合には、お食事処「鬼面庵」や「ぶな林」と言う日帰り客用の軽食どころもありますので、そこでお昼ご飯も頂けます。(日帰り客の夕食は不可)

携帯電話は、docomo、au、Softbankの基地局がありますので、電波は良好です。
また、伝統ある温泉にしては、館内Wi-Fiもありますので、全部の部屋でも大丈夫かは不明ですが、私が宿泊したイ棟2階ではWi-Fiが快適に使えました。
部屋にはBSも映るテレビや扇風機がありましたが、もともと気温がそんなに上がらないので冷房は無かったです。

酸ヶ湯温泉の客室

ひとりで宿泊されている宿泊客も多かったですが、イ棟は木造の古い建物で、壁もスゴク薄いです。
そのため、寝ていても朝5時くらいから、廊下での足音がハッキリ聞こえますので、大きな音を出さないように注意は必要です。
また、部屋に初めて入る際には、火災時の避難経路とにる非常口は必ずチェックしましょう。
売店での買い物は、部屋付けでの支払いが可能でした。
ビールから栄養ドリンクなども販売されており、ヘタな旅館のお土産物売り場よりは充実しています。

夕食時間ですが、17時30分からと18時30分からのどちらかを選べました。
遅い時間の到着では夕食無理だと思いますのでご注意願います。
白米は青森県産を使っているようですが、水も良いのでしょう、とてもおいしかったです。
おかわりしてしまいました。
その夕食の間に、部屋にふとんを敷いてくれます。
※湯治部での宿泊は、普通の家の夕食と言う感じで、布団もセルフになります。

酸ヶ湯温泉の旅館

朝食は和洋のバイキングで、登山客もいるためか?、朝6時30分からと早く、また8時までと、終わるのも早くなっていました。
フライニング不可で、きっちり6時30分に開場です。
満室の割には、レストラン会場も座席少し余裕がありましたので、朝食で並ぶようなことはあまり無いように感じました。

気になる宿泊料金は下記などよりご確認願います。
そんなに高くはないですよ。

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アクセス

交通アクセス・行き方ですが、JR「青森駅」(8番乗り場)または東北新幹線の「新青森駅」から、JRバス十和田湖行き乗車して約60分、酸ヶ湯温泉バス停下車、徒歩0分となります。
冬季は酸ヶ湯温泉が終点となります。
青森市の中心部からタクシーですと50分、8000円くらいです。
クルマの場合には、当方の青森観光オリジナル地図をご参照願います。
青森中央ICから約40分となりますが、青森空港からですとレンタカーで40分ほど変わりません。
宿泊客も日帰り客も、駐車場は共通です。

なお、 宿泊客に限り、青森駅前(アウガ駐車場横) から1日2本の無料送迎バスが運行されていますが、事前予約が必要です。

冬期の積雪は5m以上になることで有名な世界有数の豪雪地帯でもある酸ヶ湯温泉は、日本でも最も気温の上がりにくい場所でして、夏でも最高気温は22℃程度、冬季の最低気温は-10℃程度ですので、冷凍庫並みです。
酸ヶ湯の最大の積雪記録としては、23m70cmですよ。
スゴイですよね。



冬期の通行規制

豪雪地帯ですが、冬季でも除雪されますので、酸ヶ湯温泉まではクルマで行けます。
青森市から酸ケ湯温泉までの国道102号線は、毎年12月中旬から3月中旬頃まで「21時から朝7時30分まで」「夜間通行止め」となります。
県道40号線・田代平は12月中旬から3月中旬まで、18時から朝7時30分まで、同様に夜間通行止めです。
また、国道394号線城ヶ倉大橋は12月中旬から3月中旬まで、21時から朝7時30分まで夜間通行止めです。
酸ケ湯温泉から奥入瀬方面の国道102号線・傘松峠は12月中旬から3月31日まで、冬期は「全面通行止め」となり、抜けることはできません。
そのほかの八甲田周辺の国道、県道はおおむね12月中旬から4月中旬まで、冬期は全面通行止めになりますので、ご注意願います。

城ヶ倉渓谷のうえに橋が架かっている、城ヶ倉大橋も近いですので、レンタカーなど車の方は、ぜひ、お立ち寄りください。
酸ヶ湯から地獄沼へは散策路があり片道徒歩10分です。

なお、酸ヶ湯温泉から奥入瀬渓谷までは車で約40分、十和田湖は50分の距離です。

※この記事は当方の旅行情報の記事をそのまま転載しています。

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